令和2年度 いじめ防止対策基本方針
いじめに対する基本的な認識
1.いじめ問題に対する基本的な考え方
(1)「いじめ」のとらえ方
文部科学省の定義によると、いじめとは「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」とあるので、 本校においても、被害を受けた児童が「いじめ」と感じたら、その子にとっては「いじめ」 であるという認識にたつ。また、「いじめは、どの学級にも、どの子どもにも起こりうる」という認識にたち、以下の取り組みを進める。
- 「いじめは人間として絶対に許されない」という認識を、子どもたちに徹底する。
- いじめの早期発見、迅速な対応を徹底する。
- いじめられている子どもの気持ちに寄り添い、守り通すということを徹底する。
- 重大事態ないじめは、被害にあった子どもの心身に非常に大きなダメージを与えることから、「暴力」あるいは「犯罪」であると認識し対応する。
2.自校の課題
(1)学校生活から
学校生活全般において、多くの児童が、学校のきまり(元気っこのやくそく)を守り安全に安心して生活を送っている。しかし、注意散漫なところがあったり、話をしっかり聞かなかったりするなどのことがあるので、規範意識や倫理観に希薄な面が見られる。
(2)いじめアンケートから
毎月、月末にいじめアンケートを実施している。その結果から、本校では、「・いやなことをいわれた。・悪口を言われた。」の事項で、課題が見られた。学年・学級で随時指導してきている。学級活動や道徳の授業をはじめ、学校教育活動全体で指導を図っていく。
(3)教職員の意識向上
いじめ防止に関する会議や研修会を適宜開き、教職員が、常に同一歩調で指導できるようにする。
3.学校教育目標といじめ防止の取組の関連性
(1)学校教育目標
〈基本目標〉
- 豊かな人間性とたくましい身体を持ち、自ら考え自ら学ぶことのできる児童の育成を目指す
〈具体目標〉
- ひとにやさしくできる子
- がまんづよくやりぬく子
- しっかりとかんがえる子
- じょうぶなからだの子
〈行動目標〉
- 低学年 だれとでも仲良く遊べる子
- 中学年 相手の立場で考えられる子 誰とでも協力できる子
- 高学年 相手の立場に立ち互いに助け合える子
いじめ防止は、学校教育活動全体の中で取り組まなければならない。学校教育基本目標を土台として、具体目標の「ひとにやさしくできる子」の達成を目指し、各学年では、それぞれの行動目標を実践できるよう指導・支援をする。
4.保護者の願い、保護者の責務
(1)保護者の願い、責務
保護者は、子ども達にとって、学校が、安全で安心して生活できる場であると願っている。そのために、教職員は、いじめの未然防止のために全力で取り組む。一方、家庭においてもいじめ防止に向けた取り組みを学校と同一歩調で行うよう啓発し、いじめ防止のため連携して取り組む。
(2)法的根拠
保護者の責務等(『いじめ防止対策推進法』第九条より)
- 保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、その保護する児童等がいじめを行うことのないよう、当該児童等に対し、規範意識を養うための指導その他の必要な指導を行うよう努めるものとする。
- 保護者は、その保護する児童等がいじめを受けた場合には、適切に当該児童等をいじめから保護するものとする。
- 保護者は、国、地方公共団体、学校の設置者及びその設置する学校が講ずるいじめの防止等のための措置に協力するよう努めるものとする。
5.児童の願い、責務
児童のいじめに対する問題意識は高い。それでもいじめは起こってしまうことがある。そこで、いじめに直接的に関わるのは児童なので、児童自らが、いじめ防止に向けた取り組みを行うことが重要である。いじめ防止に向けた取り組みを児童会を中心として行うことで、児童のいじめに対する問題意識をより高めていく。
いじめ防止に向けた取り組み
1.いじめ防止対策推進委員会の設置について
法第22条に基づき、学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、「いじめ防止推進委員会」を設置する。 いじめ防止対策推進委員会は、基本的に、校長、教頭、教務主任、生徒指導主任、教育相談担当教諭、特別支援教育コーディネーター、学年主任、養護教諭、スクールカウンセラーなどの構成により、内容・案件により、他の必要な教職員や学校関係者等の出席も可とするなど、校長が実情に応じて定めるものとする。
2.いじめ防止対策推進委員会の役割について
いじめ防止対策推進委員会は、いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処等、学校が組織的にいじめの問題に取り組むに当たって中核となる役割を担う。具体的には、次のことを行う。
- 学校基本方針に基づく取り組みの実施や具体的な年間計画の作成・実行・検証修正の中核としての役割
- いじめの相談・通報の窓口としての役割
- いじめの疑いに関する情報や児童生徒の問題行動などに係る情報の収集と記録、共有を行う役割
- いじめの疑いに係る情報があった時には緊急会議を開いて、いじめの情報の迅速な共有、関係のある児童生徒への事実関係の聴取、指導や支援の体制・対応方針の決定と保護者や関係機関との連携といった対応を組織的に実施するための中核としての役割
3.いじめ防止対策担当教諭の役割
いじめ防止対策担当教諭は、いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処等、学校が組織的にいじめの問題に取り組むに当たって中心となる役割を担う。具体的には、次のことを行う。
- 学校基本方針に基づく取り組みの実施や具体的な年間計画の作成・実行・検証修正を中心となって行う
- いじめの相談・通報の窓口
- いじめの疑いに関する情報や児童生徒の問題行動などに係る情報の収集と記録、共有を図る
- いじめの疑いに係る情報があった時には緊急会議を開いて、いじめの情報の迅速な共有、関係のある児童生徒への事実関係の聴取、指導や支援の体制・対応方針の決定と保護者との連携といった対応を組織的に実施するための中心となる
4.いじめ防止の取り組み
(1)人間関係づくりの授業
道徳の時間や特別活動を中心とした道徳教育、人間関係・仲間づくり
・道徳の授業
豊かな心を育むために、毎時間の道徳の授業を充実させる。また、SST(ソーシャルスキル・トレーニング)を各学級、各クラスで学期1回程度行う
・特別活動
ふれあい活動(縦割り班)で、学年をこえた人間関係を築いた仲間作りを行う。 各クラスでエンカウンター等を取り入れた授業をおこなう
(2)日常的に児童と教師の深める。また、教師と保護者による二者面談の実施
○児童と教師とのふれあい
- 休み時間等でも子ども達とふれあう時間をとり、常に心の状態の把握に努める。また、児童が自分の思いを表現できる環境づくりに努める
○保護者との面談
- 希望者による定期的な教育相談日の実施
- 全保護者を対象とした担任との教育相談を年1回実施する
(3)児童会による取り組み
○児童の主体的な活動の促し
児童会において、児童が自発的・自主的にいじめの問題性に気付き、考え、防止に向けた行動を起こせるよう指導する。また、児童自らが望ましい人間関係を構築するための具体的な手立てを指導する。
○いじめ防止強化月間(5月、1回目)
・児童会本部が、アンケート結果を元に、全校での取り組みを話し合う
- 全校で取り組める「取り組み」を決定し、各学級で取り組む
- 「・・・・集会」を開催。ビデオ視聴、スローガン発表等、各学級で取り組むこととへの提案
- 各学級で作成したものを→教室掲示、児童玄関掲示、各家庭に配布
- 各クラスで決めた内容を自己評価(定期的に行う)
○いじめ防止強化月間(12月、2回目)
- 児童会本部が、アンケート結果を元に、新たな全校での取り組みを話し合う
- 高崎市、小学生リーダー研修会(児童会本部参加)に参加したことを元に、箕郷東小学校での取り組みを児童会本部で話し合う。(※?と?を併せて取り組みを話し合う)
- ・・・・集会2を開き、各クラスに向けての提案
- 各クラスによる取り組み
○各学級によるあいさつ運動の実施
児童会本部から提案をし、各学級1週間単位程度で順番に挨拶運動を展開
(4)いじめ防止のための校内研修の実施
○教職員の指導力の向上
教職員がいじめの兆しを発見する目を養うとともに、適切に対応する力の向上を図る。そのために、校内でいじめに関する研修を実施するとともに、個々の児童への指導の充実を図る。また、H25.9.28施行の「いじめ防止対策推進法」に関わる研修を行う
(5)いじめ防止プログラム
いじめ防止プログラムにそった実践を行い、いじめ防止を徹底する
いじめ防止プログラムの加除修正を適宜行い、より有効なものとする
(6)いじめアンケートの実施
年間を通して月1回にいじめに関するアンケート実施し、いじめは、いつでも、どこでも起こり得るとの認識のもといじめの疑いの事例も含めてその状況を的確に把握する。対応の必要なケースについては、事実確認とともに、まずいじめられた側の児童の保護者との連携を十分に図る。また、解決したと安易に判断せず、保護者との連携を図り長期的な見守りを組織として続ける。
○各月下旬にいじめアンケート実施
各学級いじめアンケート → 各担任が、いじめがあると答えた児童に確認をする。(児童や保護者から直接いじめの訴え相談があった場合も) → いじめの事実を担任、関係学年等で確認→関係児童を指導→深刻な内容については、生徒指導主任及び管理職に報告 → 箕郷東小 いじめ防止推進委員会開き、最悪を想定して、迅速、的確に対応
(7)インターネット等を通じて行われるいじめの対応
- インターネットの特殊性による危険を十分に理解した上で、ネット上のトラブルについて最新の動向を把握し、情報モラルに関する指導力の向上に努める
- 未然防止には、子どものパソコンや携帯電話、スマートフォン等を第一義的に管理する保護者と連携したを取り組みを行う
- 早期発見には、メールを見たときの表情の変化や携帯電話等の使い方の変化など、被害を受けている子どもが発するサインを見逃さないよう、保護者と連携して取り組む
- 「ネット上のいじめ」を発見した場合は、書き込みや画像の削除等、迅速な対応を図るとともに、人権侵害や犯罪、法律違反など、事案によっては、警察等の専門的な機関と連携して対応していく
(8)朝礼等での講話・指導と啓発
- 朝礼時、校長による「いじめ根絶宣言の講話」
- 朝礼時、いじめ防止対策担当教諭や生徒指導主任が、「いじめに関する内容」を全校児童に向けて指導
- いじめ根絶宣言ポスター、各教室・学校内掲示と各家庭配布
(9)家庭における取り組み
- 学年・学級・学校便り・ホームページ等でいじめに関する情報を家庭に向け発信し、家庭でも規範意識や養ったり、いじめ防止のための指導を行ったりするよう啓発する
- いじめに関する心配などがある場合は、家庭だけで悩まずに、積極的に学校や関係機関等と連携して取り組むように情報を絶えず発信する
(10)関係機関との取り組み
- 児童生徒の健全な成長を願い、警察、通級指導教室、児童相談所等、関係諸機関と連携を図りながら、いじめ防止に取り組む
- 学校、保護者、教育委員会等の連携を図る
(11)地域の取り組み
- いじめは校外においても行われることがあるので、登下校中などをはじめ、地域として児童生徒を温かく見守る取り組みを推進する
- 学校、保護者、教育委員会等の連携を図る
(12)教職員の人権感覚の向上
- 人権教育を学校組織をあげて、全教育活動を通して推進する
(13)法教育の取り組み
- いじめ防止推進対策法を踏まえ、法律を守って適切な行動がとれるよう規範意識を醸成する
いじめへの対処に関する方針
1.早期発見するための方法や取り組みについて
「いじめは早期発見、早期対応が重要」との姿勢の下、教職員をはじめ、児童に関わる全ての大人が連携し、児童のささいな変化にも気付き対応していく。このため、いじめは大人の目に付きにくい時間や場所で行われたり、遊びやふざけあいを装って行われたりするなど、大人が気付きにくく判断しにくい形で行われることを認識し、ささいな兆候であっても、いじめではないかとの疑いを持って、児童が発するサインを見逃さず、早い段階から的確に関わりを持ち、積極的にいじめを認知することが必要である。また、いじめの早期発見のため、定期的なアンケート調査や教育相談の実施、電話相談窓口の周知等により、児童生徒や保護者がいじめについて相談しやすい体制を整えるとともに、地域、家庭と連携して児童を見守っていく。
〈具体的には〉
- 「いじめはどの学校でも,どの児童にも起こりうるものである。」という基本認識に立ち、全ての教職員が児童の様子を見守り日常的な観察を丁寧に行うことにより、児童の小さな変化を見逃さない鋭い感覚を身に付ける
- おかしいと感じた児童がいる場合には学年部会や生徒指導委員会やいじめ防止推進委員会等の場において気付いたことを共有し、より大勢の目で当該児童を見守る
- 様子に変化が見られる場合には、教師が積極的に働きかけを行い児童に安心感をもたせるとともに問題の有無を確かめ、解決すべき問題がある場合には,当該児童から悩み等を聞き,問題の早期解決を図る
- 「いじめアンケート」を毎月行い、児童の悩みや人間関係を把握しいじめゼロの学校づくりを目指す
定期的な面談の実施について
- 日常の生活の中での教職員の声かけ等、子ども達が日頃から気軽に相談できる環境をつくる。その環境をつくために、教職員と子どもたちの信頼関係を高めていく
- 様子がおかしい児童がいたら、教育相談室で話を聞く。また、必要に応じSC,SSWとも連携を図る
- 保護者に対しては、学期に1回程度、教育面談日を設定し、保護者と教職員が連携して子ども達が成長できるようにする
情報を共有できる体制等について
- 月1回の職員会で、各学級の情報交換をする
- 生徒指導全体会議を年に2回持ち、各学級の様子をより具体的に情報交換する
- 内容に応じて次の順に対応する。また、報告・連絡・相談は常に行う。(生徒指導主任、いじめ防止対策担当教諭、教頭、校長)
小 → 重大事態
担任→各学年会→生徒指導部会→いじめ防止対策推進委員会
記録の蓄積について
- 客観的事実に基づいて、記録を時系列で残し、指導に反映させる
重大事態への対処について
生命・心身又は財産に重大な被害が生じた疑いや、相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合は、次の対処を行う。
- 学校は、速やかに、教育委員会へ報告する
- 事実関係を明確にするため箕郷東小学校いじめ問題調査委員会において、速やかに調査を行う。いじめ問題調査委員会は、いじめ防止対策推進委員会、学校評議委員で構成する
- いじめを受けた児童及びその保護者に対し、必要な情報を適切に提供する
- 重大ないじめ(暴力・恐喝等)を行った児童へは適切な懲戒を行う
- 教育委員会や警察、関係諸機関と連携し、解決に向けて徹底した対応を図る
取り組みの評価・検証
いじめ防止基本方針に基づく、いじめに関する防止、早期発見、措置などの各取り組みの実施にあたっては、いじめ防止推進委員会において、年度毎に具体的な年間計画を作成し実施する。その作成等にあたって、学校評議員やPTA役員、地域住民などの意見を聴く。また、いじめ防止基本方針の策定や見直し、定めたいじめ防止の取り組みが計画どおりに進んでいるかどうかのチェックや、必要に応じた計画の見直しなど、いじめの防止等の取り組みについては、学校評価を用いてPDCAサイクルで検証をする。その結果を教育委員会及び保護者・地域に報告する。