PTAセミナー
平成24年10月31日(金)片岡中学校PTAセミナーが開催されました。昨年度のPTAセミナー同様に、全校生徒、保護者の皆さんと共にトーク&コンサートを楽しむひとときを過ごしました。このような素晴らしいセミナーを企画、運営してくださったPTA役員の皆さんのご尽力に生徒共々感謝を申し上げます。
今年度はご夫婦で活動されている ESPERANZA(エスペランサ) さんが来校してくださいました。「夢と希望と未来と・・・今、自分にできること〜」というテーマで1時間10分にわたるご夫婦のトーク&コンサートでしたが、奥田良子さん(フルート、オカリナ)と奥田勝彦さん(ベース)の作り出されるあたたかい雰囲気がとても素敵でした。中でも良子さんが優しい語り口で伝えてくださったご自身の「クローン病」との闘病と再出発、挫折から社会復帰に至るまでの「出逢い」「励まし」などを通して、夢や希望を持つことの大切さや生きていることの幸せなどを改めて実感したひとときでした。神戸弁でのトークはあたたかくて優しく、心が癒され、あっという間に時間が過ぎ去っていきました。 それでは、当日の様子をお伝えしましょう。 <入場〜> 良子さんの自己紹介からスタートして、まず良子さんが大好きだという「ジュピター」をフルートで演奏してくださいました。勝彦さんはベース担当で、心に響く音色を届けてくださいました。良子さんが、昨年の東日本大震災後にみんなが感じていた不安や心配をここで断ち切って、幸せを感じる心を持つこと、夢や目標は必ず必要だということを話されて、聞いていた私たちは演奏にもお話にも引き込まれました。 「皆さんの夢ってどんな夢ですか?」良子さんの問いかけに、ひとりひとりが自分の心と向き合いました。「大人も夢を持つことが大切。大人が輝いてこそ、子どもがあこがれる存在になるのです。」というお話には、聞いている大人たちがハッとし、自らも未来に目を向けてどう生きていくか、何を目標に進んで行くか考えることが大事であることに気づいたようでした。 <演奏 トップ・オブ・ザ・ワールド> 「幼い頃の夢を思い出して下さい。」というお話から始まり、良子さんは夫である勝彦さんの紹介をしてくださいました。現在はスタジオミュージッシャンでCMの音楽を担当されているということで缶コーヒーのCMを披露してくださり、体育館の中には「わあ〜、これ、奥田さんが演奏いているの!?」というどよめきと感動がいっぱい広がりました。素晴らしい演奏を聞かせてくださった勝彦さんが音楽の道をスタートしたのは、小学校4年生の時のことだったそうです。ギタリストとの出会いで「あんな風になりたい!」とあこがれを感じたことが夢の始まりだったということでした。中学生時代には水泳部員としても活躍をしたのですが、健康面から断念せざるを得ないことになり、音楽の道に入って卒業生を送る会で初めて人の前で演奏をされました。その後、高校時代はプロのバンドのお手伝いをしたり、大学時代は先輩の家で音楽を聞いたり、ベースを弾いたりして20歳でプロになったのでした。「大切なことは夢を持つこと」と繰り返し良子さんが話されていたことが印象的でした。好きなことや興味を持っていることを大事にすることが、未来につながるのだということをうかがいました。 <演奏 They must be an angel. > 続いて良子さんがご自身のことについて話してくださいました。小学校でも中学校でも体育、勉強共に苦手な子どもだったそうです。でも先生から「得意なこと、好きなことがひとつあれば良い。何でもできる人になってはいけない。何でもできると迷うから得意なことや好きなことはひとつでいい。」という話をしていただいて、自分は音楽が好き、リコーダーの演奏が好きだということに気づき、お母さんも良子さんの音楽への興味を知り、フルートを買って音楽への道を考えたそうです。 <演奏 放課後の音楽室> オカリナをふたつ使っての演奏でした。 音楽への道を進み出した時に、自分ができることあるのは嬉しいことで、将来はフルートの演奏家になりたいという夢を持っていました。音大の4年生の時に急激に体重が減少、検査の結果「クローン病」であることが判明しました。この病気は小腸、大腸に潰瘍ができ、栄養が取れなくなってしまい、良子さんも腹痛や発熱と闘いながらも演奏家として夢を持ってステージには立ち続けたそうです。しかし、ついに腸に穴があいてしまい手術となり、夢をあきらめよう、フルートをやめよう、とさえ思ったとうかがい、その辛さや苦しさは私たちにも感じ取ることができました。一時は夢をあきらめた良子さんでしたが、夢をあきらめても腸の手術は続き、周囲の人たちは良子さんを励ます言葉をたくさんかけてくれていました。そんな時に「神様は乗り越えられない試練は与えない。」という言葉を耳にして、徐々に「クローン病」を抱えながら生きていこうと考えるようになりました。 <演奏 夜空ノムコウ> 良子さんは周囲の人のあたたかい励ましの中で、孤独感を感じることもありましたが誰かが必ず近くにいてくれて、手をさしのべてくれていることに気づいていました。「明日を生きようとすれば未来は切り開ける」「生きていることはひとりではないということ」と思い、闘病しながらでもフルートを吹いてみんなに聞いてもらいたい、感謝の気持ちを伝えたいと考えるようになったそうです。 <演奏 ふるさと 他一曲> 「あなたを応援してくれる人の顔を思い浮かべながら聞いて下さい。」ということで演奏して下さった2曲です。幼い頃に聞いたり、歌ったりした曲を耳にして、自分はひとりではない、自分の周りにはいつでも応援してくれる人がいる、ということに気づきました。良子さんが「これから生きていく時に苦しかったら、この人たちに話をするようにして下さい。苦しい時は自分を応援してくれる人を思い浮かべて下さい。」と話してくださった時には胸がジーンとしました。 最後に良子さんが次のような話をしてくださいました。 「私たちが生まれてくるには、父と母がいます。その父と母にも父と母がいます。こうしてたどっていくと40億年前の生命誕生まで行き着くのです。多くの遺伝子が自分にたくさんの可能性と無限の力を与えてくれているということになります。自分が受け継いだ命の中に、自分の良さを持っていた先人がいたということです。現在活躍しているプロの人たちは、辛くても苦しくてもあきらめず頑張ったからこそできた夢なのであって、他の人よりも少しだけ上手だとか、少しだけ好きということこそが自分の才能で、遺伝子が自分にサインを送ってくれています。」 <演奏 情熱大陸> 「未来の自分のために、精一杯頑張って下さい。夢が叶うことを願って『情熱大陸』をお届けします。」良子さんのこの言葉に、聞いている人みんなの心がふるえ、未来に向かって一歩踏み出したような気がします。ひとりひとりの進んで行く方向や進み方は違っても、それぞれが、自分らしい未来を自分の手で切り開くことが大切なのだということを、ESPERANZAのおふたりから教えていただきました。フルート、オカリナ、ベースの演奏に心をときめかせながら、うっとりとしたり、幼い頃のことを思い出したり、身近にいる自分を応援してくれる人のことを考えたり、それはそれは貴重なコンサートでした。奥田良子さん、勝彦さん、ありがとうございました。どうぞこれからも健康にはくれぐれも留意され、たくさんの地でご活躍下さいますよう、心からお祈り申し上げます。また、機会がありましたら、是非ご来校下さい。 全校生徒が綴った感想とお礼の言葉が間もなくおふたりに届く予定です。寒さが厳しくなる折に、生徒の言葉が良子さん、勝彦さんにほんのりあたたかさをお届けできれば幸いです。ありがとうございました。 文化祭今年度のテーマは「for」でした。for には「〜のために」という意味がありますが、誰かのために・・・自分のために・・・何かを学び、成長できる文化祭であってほしいという生徒会本部・文化祭実行委員の願いが込められたテーマでした。それをもとにしたスローガンが「思いやる 心をひとつに for all 」というものでした。このスローガンは生徒会が示した文化祭の方針をもとに、生徒全員が考えたものの中から決定したものです。日常生活の中で、ともすると自分のことだけしか見えなくなってしまい、周りの人への思いやりや温かな気持ちを忘れてしまいがちな今、もう一度片岡中学校全員で「心をひとつにして、温かなつながりを大切に出来る学校」作りを目指そうという気持ちが表れています。 文化祭実行委員長は「みんながただ楽しめる文化祭ということではなく、思い出に残る文化祭、今までで最も素晴らしい文化祭を作りたい」、今年度が3回目の実行委員だという副委員長は「今までは先輩たちに引っ張っていただいたので、今年は自分が引っ張っていけるように頑張りたい」、2回目の実行委員というもうひとりの副委員長も「全校で楽しく、盛り上がる、笑いあり、涙ありの今まで以上の素晴らしい、思い出に残る文化祭を作りたい」と語ってくれていました。実行委員さんたちの熱心な活動ぶりは例年同様に素晴らしく立派でした。 毎年恒例の生徒会企画・自主製作映画では42人の生徒、3人の先生が出演し、生徒会役員さんたちが脚本の作成、撮影、編集を行いました。中学校生活で大事にしたいことは何か・・・考えることができるひとときでした。限られた時間の中で、ここまでの映画が完成できたのは生徒会役員さんたちのひたむきな努力のお陰でしょう。ありがとうございました。 それでは文化祭のプログラムを紹介しましょう。 <午前の部> ・オープニングイベント、生徒会長の話、開会宣言、校歌斉唱 ・合唱コンクール ・ステージ発表1(平和作文、英語弁論、少年の主張、国際交流派遣団、生徒会本部企画1) <展示見学> 1年生(グリーンアドベンチャー活動報告)、2年生「やるベンチャー活動報告」、3年生(修学旅行活動報告)、JRC委員会(活動内容展示発表)、保健委員会(ミニ健康診断)、給食委員会(食育展示発表)、美術部(作品展示)、自然科学部(実験、ロボット展示)、ゆうあい学級(美術、家庭科作品展示)、理科(夏休み自由研究展示)、国語(書写作品展示)、生徒会( for カード展示) 展示見学と共に、ピアノの生演奏を聴かせていただきました。日常では得られない心トキメクひとときを過ごすことが出来ました。ありがとうございました。 <午後の部> ・ステージ発表2(吹奏楽部演奏、生徒会本部企画2 映画・自主製作映画「 change for 」 ・合唱コンクール結果発表・講評 ・エンディングイベント(実行委員長あいさつ、生徒会本部解任式、学校長の話、エンドロール、閉会のことば) <合唱コンクールの結果> 1年生:最優秀賞1の1・優秀賞1の3・優良賞1の2、1の4 2年生:最優秀賞2の1・優秀賞2の3・優良賞2の2、2の4 3年生:最優秀賞3の3・優秀賞3の1、3の2 <3年生の感想を紹介します> ・僕が文化祭で1番記憶に残ったのはエンディングイベントです。このコーナーは「日頃の感謝の気持ちを伝えよう。」というもので、たくさんの人が友達、先輩、家族や先生に日ごろの感謝を伝えていました。中には涙を流しながら感謝を伝えている人もいて、本当にその人に感謝しているのだなと感動しました。このコーナーで、僕は人に感謝し、その思いを伝えることはとても大切だということを改めて実感しました。 ・今年の文化祭のテーマは FOR!でした。生徒会本部企画では、自分の志を発表してみんなで応援したり、普段はなかなか口に出来ない感謝の気持ちを伝えたりと、心温まる企画ばかりでした。この文化祭を通して、片中生の思いやる心をみんなで分かち合えました。今年の文化祭は、ただ楽しいだけではなく、思いやりの大切さをひとりひとりが改めて感じられる内容だったので、本当に良かったと思いました。 ・今回の文化祭で1番印象に残ったのは、やはり合唱コンクールでした。初めて指揮者という立場で参加したのでとても緊張していましたが、毎日みんなで練習してきたことを思い出し、堂々と取り組めました。最優秀賞は取れなくても、自分たちの合唱はできたと思います。文化祭全体では、企画も楽しく、とても充実していて良かったです。 ・今年の文化祭は生徒会役員として参加しました。何ヶ月も前から準備していた文化祭はあまり楽しみにしていませんでした。「盛り上がらなかったらどうしよう。」などということばかりが頭の中にありました。実際、当日は予想以上に盛り上がり、とても嬉しかったです。全校のノリの良さには感動しました。忘れられない文化祭になったと思います。 ・3年3組、めでたく最優秀賞を取りました。3組が合唱の練習に取り組み始めたのは夏休み前からです。しかし、先生方にほめていただけるようになったのは本番の3日前です。もし、3組が夏休み前といういち早い時期から練習することがなければ、こんなケンカにはつながらなかったと思います。途中、何度も伸び悩みました。あきらめずに、粘り強く頑張ってきたからこそ、ここまで来ることができました。3組のみんなには感謝の気持ちでいっぱいです。 ・1番の思い出は合唱コンクールだ。僕たち3年3組は正直、合唱の練習を熱心に取り組むクラスではなかった。しかし、1,2組からは毎日のように大きくきれいな声が聞こえた。そんな日々を過ごす間に、もう残り1週間となってしまった。僕たちはやっと真剣に取り組み始めた。日々の練習で日に日に上達していき、最後までみんなで集中して歌いきることができた。その時、初めてクラスがひとつにまとまったと思った瞬間だった。中学校生活最後の文化祭は、楽しいだけではなく得ることも多かった。クラスの団結や楽しい思い出などだ。合唱練習が終わった今、僕は受験に向けて頑張っていきたい。 文化祭・合唱コンクールを通して、各クラスが心を合わせ一生懸命に協力する様子がたくさん見られました。特に合唱コンクールでは、ピアノ伴奏者と指揮者、パートリーダーたちの言葉に耳を傾けながら熱心な取り組みが感じられました。ステージ上での姿は、1年生から3年生までどのクラスもとても素晴らしく立派でした。保護者の皆様にもたくさん来校いただきまして、ありがとうございました。文化祭後に、子どもさんを通してあたたかいお便り、感想を担任の先生に届けてくださったお家のかたもいらっしゃいました。心より御礼を申し上げます。 |
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